不動産コラム 5.東南の角地

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今回のテーマは【東南の角地】です。


 不動産の査定をする場合、その不動産の前の道路が敷地のどちら側にあるかによっ評価が分かれます。敷地が接する道路のことを前面道路とか接面道路といいます。評価が高い順に、東南角地、西南角地、南道路、東北角地、西北角地、東道路、西道路、北道路です。

この評価順序は一応の基準であり、それによって価格を付ける場合の一つの基準になるもえてください。私自身、不動産鑑定士ではありませんので、厳密な解釈ではなく経験に基づくものです。

不動産市場に流通している土地は、建築基準法で定めらた、住宅を建築できる道路に間口2メートル以上(2メートルを含む)接していることが義務付けられています。他に例外規定もありますが原則は2メートル以上接道していないと住宅は建築できません。

たとえば、東、南、西の三本の道路に囲まれ、東西に長い敷地に5棟の新築住宅が完成していたとします。そうすると、東南の角地にある住宅と、南西の角地にある住宅が2棟と、南道路に面した住宅が3棟ということになります。

建築面積は5棟とも同じ、敷地面積もおなじとして、価格は東南角、南西角、南道路面の順になります。一応、東道路の反対側と西道路の反対側には普通の住宅が建っているという前提です。中古住宅の場合も、東南の角地が早く売れる確率が高くなります。

住宅というものは、一生そこに住もうと思って購入したとしても、手放す必要が生じた場合、素早く売れることを考えて購入することが大切です。一般的に言うと、住宅を購入する人の70パーセントは衝動買いといわれています。つまり、「あっいいな!」で買います。

私の経験では、10人の買いたいお客様のうち、不動産会社にはじめて接触した日から1週間以内に3人が契約申し込みをします。2週から一カ月以内に2人です。残り5人のうち3人は1年から2年以内に購入すると思われます。そして、あとの二人は買うことをあきらめるか、他に転居するかで、電話をかけると、「この電話は現在使われていません」ということになります。

さて、まえふりが長くなりましたが、東南角地の住宅の長所と短所について述べてみます。まずよほどのことがない限り、東南角は日当たりが良いという特徴があります。また、東と南の二面の道路に接しているため解放感もあります。

ただし、道路幅が4メートルぐらいだったり、敷地の面積が100平方メートル以下だったりすると南と東の道路に面しているために、落ち着きのない住宅になってしまいます。2階はいいのですが、1階部分は通行人から丸見えになってしまうということです。

東南の角地で快適な生活を送ろうとすると最低100坪の敷地が必要かもしれません。しかし、小平市周辺では価格も、また100坪前後の東南角地はほとんど市場に出ませんし、価格も敷地だけで一億円以上になりますので購入は難しいといえます。

私が郷里に家を建てたとき、南6メートル道路に面した100坪の敷地を購入し南玄関の家を建てました。東側が150坪ほどの空き地で、西側には50坪ほどの敷地に2階建ての家が建っていました。西側の家は南道路に面していたものの、敷地の面積は私が買った土地の半分ですから間口が狭く奥行きの長い家でした。

当然、東側がずっーと空き地だったので、居室は東側に向けて建築してあります。そこで、私の家は西側を広く開け、できる限り東に寄せて建てたのです。東側はずっと空き地だったのでそのうちに買えばいいかなどと考えていたからです。

昭和62年から母親が亡くなる平成10年までの間、東南の角地状態でした。ところが、それから1年ぐらいして、東側に家が建つことになり、おもっっきり私の家に寄せて建物が建ちました。

結果として、東に開放部があった和室や台所に全く日が当らなくなってしまったのです。空き地だった時は朝日がまぶしかった部屋が全く朝日とは縁のない部屋になってしまったのです。他の人も自分と同じ考えだなどと思っていると後悔するという典型でした。

結局、住むことがなくなった家は、売却してしまいましたが、いい経験をしたと思っています。


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